2024年度版「PPP/PFI推進アクションプラン」、民間事業者の適切な利益に配慮

内閣府は2024年6月、「PPP/PFI推進アクションプラン(令和6年改定版)」を公表。分野横断型や広域型の案件形成など4つの主要事項を掲げた。重点分野には新たに自衛隊施設を加えた。コンセッション事業の案件化を中心に、2022~26年度の5年間の必達目標を前年度から20件積み増して97件に拡大。2022~31年度の10年間の目標は75件増の650件とした。31年度までの10年間で事業規模30兆円の実現を目指す。

自衛隊施設は2026年度までに20件を具体化する。PFI導入候補として海上自衛隊横須賀教育隊や防衛医科大学校病院の整備を挙げた。PFIや包括的民間委託などを組み合わせた防衛省版PPPを推進する。

防衛省は2023年、自衛隊施設の強靱化・最適化事業として、全国283地区の基地・駐屯地の建物1万2636棟の建て替えと5102棟の改修計画を公表した。全施設の約4割が旧耐震基準の建物で、建て替えや改修が急務となっている。省エネ化や非常用電源整備も進める計画だ。

内閣府が示した今年度版の主要事項は以下の通り。10年間の目標は、スポーツ施設で10件、文化・社会教育施設で5件、大学施設で10件、それぞれ増やした。

民間事業者が適正な利益を得られるような環境構築にも注力する。物価変動の影響を反映した予定価格算出やサービス対価改定が行われるようガイドラインを改正する。アクションプランは「民間事業者の創意工夫を発揮する余地を拡大する観点からは、事業期間を長く設定していくことや、公共施設等運営事業など民間事業者の自由度がより高い手法に発展させていくという視点も重要」と記した。

民間事業者の提案を促し、創意工夫による事業費削減や利益創出を誘導する。費用削減以外の多様な効果を適切に評価する方針だ。財政負担の軽減以外のPPP/PFIの効果には、効率的なサービスの提供、雇用創出を伴う民間事業者の事業機会拡大、社会の脱炭素化やデジタル化などがある。

性能発注も推進する。民間事業者のパフォーマンスに応じてサービス対価を支払う指標連動方式(アベイラビリティペイメント方式)は昨年度版では周知を主目的としていたが、今年度版では積極的に採用されることを目指すこととした。

分野横断型は類似施設・共通業務の統合、広域型は複数自治体の連携で業務効率化を図る。宮城県の水道・下水道・工業用水道の一体型コンセッション事業が先行事例だ。地方創生の推進では、スモールコンセッションを中核的な施策として位置づけた。スモールコンセッションは、自治体が所有・取得する空き家などの遊休不動産を対象にした小規模(事業費10億円未満程度)のPPP/PFI。手続きの簡素化、官民マッチング強化、事業化検討への支援強化で全国的な案件形成を促進する。

 

コンセッション方式の候補事業やこれまでのコンセッション事業の実績は、2024年7月発行予定の「インフラ・グリーン・デジタル投資動向」に掲載します。また、7月11日に開催するセミナー「国内外の具体事例に学ぶインフラビジネス戦略」(新社会システム総合研究所主催)でも解説します。

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