水素1kg当たりのCO2排出量7kg未満であれば「クリーン」と認定

IEA(国際エネルギー機関)は2023年4月、天然ガスや石炭などの化石燃料から製造された水素でも、炭素回収(CCS=CO2回収・貯留)技術と組み合わせることによって、製造プロセスの炭素集約度(単位当たりの水素製造時に発生するCO2排出量)を水素1kg当たり7kg未満とすれば「クリーン水素」とみなす推奨基準を明らかにした。

クリーン水素には、グリーン水素とブルー水素がある。グリーン水素は「製造過程でCO2を排出しない」とする基準が明確で、多くの場合、再生可能エネルギー源で水を電気分解して製造する。しかし、天然ガスなどの化石燃料から製造されるブルー水素には明確な基準がなかったため、クリーン水素への投資が将来、基準を満たしていないとされる恐れが残っていた。

一般的に、水素1kg当たりのCO2排出量は、天然ガス由来で9~12kg、石炭由来で20~25kg。これに対して、新しい基準によると、化石燃料由来の水素でも、水素1kg当たりのCO2排出量を7kg未満に抑えれば、その水素はクリーンと分類されるようになる。

日本政府の再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議(2023年4月4日)で示された水素基本戦略の改定方針の中には、「クリーン水素の世界基準」に関する項目が盛り込まれている。クリーン水素の世界基準を日本がリードして策定し、クリーン水素への移行を明確化するために、クリーン水素を、水素の製造源ではなく、炭素集約度で評価することを基本とする。IEAの方針は、日本政府の水素戦略と整合している。化石燃料から製造されるブルー水素の明確な基準を実装することでブルー水素を燃料源として利用することに曖昧性がなくなり、クリーン水素への投資促進が期待される。

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