再エネ発電量は2025年初頭に石炭を追い抜く、IEAの2022~27年予測

国際エネルギー機関(IEA)は2022年12月に公表した報告書 “Renewables 2022 / Analysis and forecast to 2027” で、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー安全保障の必要性を背景に、再生可能エネルギーの開発が加速し、2025年初頭までにその発電量が石炭を追い抜くと予測している。2027 年には再生可能エネルギーは世界の全発電量の約40%を占め、石炭、天然ガス、原子力のシェアの低下を補う(図表参照)。

IEAの予測によると、再エネ容量は2021年の約3100GWから、2022~27年の5年間で約2400GW増加する。これは過去20年分に匹敵する容量で、1年前の予測より30%増えている。欧州の追加容量は前の5 年間の2倍、中国は今後5年間に世界で追加される再エネ容量の約半分を占め、米国ではインフレ削減法が再エネの長期的な拡大の見通しを支える。

再エネ電源別では、太陽光発電と陸上風力発電が世界中の大多数の国で最も安価な新規開発オプションになる。世界の太陽光発電容量は、住宅や商業施設の屋上へのソーラーパネルの設置が加速するなどして、2022~27年の5年間で約3倍。24年に水力、26年に天然ガス、27年に石炭による発電容量を抜き、単独で世界最大の発電容量になる。世界の風力発電容量は5年間で約2倍になり、洋上風力が成長の5分の1を占める。太陽光と風力を合わせると、5年間で追加される再エネ容量の90%以上になる。

発電量の電源別比率推移

再生可能エネルギー(緑色)は2025年初頭に石炭(灰色)を抜いて世界で最大の電源になり、2027年には全発電量の約40%を占める(出所)IEA

InfraBiz
関連サイト
国際エネルギー機関(IEA)のウェブサイト
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