谷澤総合鑑定所はこのほど「再生可能エネルギー発電施設投資家調査」の結果をまとめた。施設別に今後1年間の投資(融資)姿勢を聞いたところ、「積極的に新規投資(融資)」の回答率が「高圧・特高 太陽光(オフサイトコーポレートPPA)」で57.9%となり、「高圧・特高 太陽光 FIT(固定価格買取制度)」の47.4%を上回った。積極的に新規投融資する回答は「陸上風力」(42.9%)や「産業用蓄電池」(36.8%)でも多かった。
調査では、FIT終了後の施設への投資ニーズが強くなっている様子も浮かび上がった。現在保有中(取得検討中)の施設について、FIT制度終了後の考えを質問したところ、「既存設備の耐用年数満了後に再投資して発電事業を継続する」が48%と、前年の33%を上回った。「発電事業を終了・解散する」の選択は前年の調査では11%だったが、今回の調査ではゼロだった。
投資家が期待する割引率(中央値)は、「太陽光(オフサイトコーポレートPPA/固定価格)20MW程度」が3.5%、「陸上風力20MW程度」が4.0%、「産業用蓄電池20MW程度」が4.8%となった。ここでの割引率は、DCF法(Discounted Cash Flow法)において将来のキャッシュフローを現在価値に割り戻す際に用いる利回りで、内部収益率(IRR)と同義だ。
調査は年に1回実施しており今回が7回目。再エネ発電施設を売買・運用する21社の22人が回答した。結果の概要版は、谷澤総合鑑定所のウェブサイトで見ることができる。
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