「FIT後も発電事業継続」が7割超、谷澤総合鑑定所の再エネ投資家調査

FIT(固定価格買取制度)終了後も、発電事業を継続することに意欲を示す投資家が急増している。谷澤総合鑑定所がこのほど発表した再生可能エネルギー発電施設の投資家調査では、回答者の72%が「発電事業を継続する」を選択。「発電事業を売却する」はゼロだった。1年前の調査の「継続」43%、「売却」21%から大きく変化した。

FIT終了後の考え (出所)谷澤総合鑑定所

 

市場の売電価格に一定の補助額を上乗するFIP(Feed-in Premium)が2022年4月から始まったことや、需要家が発電事業者から直接、電力を調達するPPA(Power Purchase Agreement)を導入する企業が増えていることが背景にある。エネルギー政策リスクや売電需要・売電単価に対する懸念はあるものの、事業継続への意欲が高まったとみられる。

 

FITやオフサイトPPAの期待割引率は・・・

地域別に聞いたFIT型太陽光発電施設(2MW未満、高圧)の現在の割引率(中央値)は3.1~3.3%で、1年前の調査(3.3~3.5%)から0.2ポイントほど低下した。ここでの割引率は、DCF法(Discounted Cash Flow法)において将来のキャッシュフローを現在価値に割り戻す際に用いる利回りで、内部収益率(IRR)と同義だ。

今回の調査では、「期待する割引率」をFIPやPPAの太陽光発電施設についても質問した。結果(下表、中央値)は、太陽光(FIP、2MW程度)と太陽光(オフサイトPPA/固定価格、2MW程度)が、いずれも3.5%だった。太陽光以外では、風力(陸上、2MW程度)が4.5%、水力(2MW程度)が4.3%などとなっている。

期待する割引率 (出所)谷澤総合鑑定所

 

調査は年に1回実施しており、今回が6回目。再エネ発電施設を売買・運用する16社の21人が回答した。結果の概要版は、谷澤総合鑑定所のウェブサイトで見ることができる。

InfraBiz
関連記事
FIT終了後も売電事業継続43%、谷澤総合鑑定所の投資家調査
関連サイト
谷澤総合鑑定所の発表
タイトルとURLをコピーしました