PFI法6条提案で577億円の等々力緑地整備・運営事業に参画、東急コンソーシアム

川崎市の「等々力緑地再編整備・運営等事業」は、2019年にPFI法6条に基づく民間提案を実施した東急のコンソーシアムの落札で決着した。落札金額約577億円、30年間にわたる事業である。11月8日に川崎市や東急などが発表した。

入札説明などには東急コンソーシアム以外の複数社が参加し、関心を示したというが、入札参加は東急コンソーシアム1者にとどまった。他社に「出ても勝てない」と思わせた東急の完全勝利といえるだろう。

整備する施設は多岐にわたる。独立採算が期待できる球技専用スタジアム、とどろきアリーナ、駐車場がコンセッション事業の対象だ。事業者選定のための審査の配点は1100点。このうち、提案者に付与される加点は100点。この加点が、東急コンソーシアムのアドバンテージとなった。

コンソーシアム構成企業の顔ぶれが豪華だ。等々力緑地のある川崎市で創業し、中核拠点の川崎工場や多数の拠点を周辺に構える富士通のほか、等々力陸上競技場をホームスタジアムとするプロサッカークラブの川崎フロンターレが構成員にいる。インフラ運営で実績のあるオリックスも構成員だ。グローバル・インフラ・マネジメントは、東急とインフロニア・ホールディングスが株主で、インフラ事業の投資・運営、コンサルティングを手掛ける。7月にはコンセッション事業も投資対象にするインフラファンドを組成している。

 

提案された緑地全体のイメージ (出所)Todoroki Park and Link

<コンソーシアム「Todoroki Park and Link」構成企業>
東急(代表)、富士通、丸紅、オリックス、川崎フロンターレ、グローバル・インフラ・マネジメント、大成建設、フジタ、東急建設

<コンソーシアム協力企業>
梓設計、東急設計コンサルタント、オオバ、東急コミュニティー、東急スポーツシステム、DeNA川崎ブレイブサンダース

<事業概要>
事業名:等々力緑地再編整備・運営等事業
所在地:川崎市中原区等々力1番地ほか
事業方式:PFI(BTO+RO)方式、 ※一部施設に公共施設等運営権を設定
事業期間:2023年4月~2053年3月
事業内容:統括管理業務、整備業務、維持管理業務、運営業務、自主事業
落札金額:576億9700万円(税別)
総合評価点:627.5点(満点1100点のうち提案者への加点が100点)

<主な整備施設> ※はコンセッション方式の対象施設
運動施設
・球技専用スタジアム※
・(新)陸上競技場
・(新)とどろきアリーナ※、スポーツセンター、プール
・ストリートスポーツパーク
園路・広場
・アクティビティループ(園路)
・キッズパーク(子どもの遊び場)
・インクルーシブパーク
・芝生広場
修景施設
・親水空間(レインガーデン等)
・植栽
便益施設
・駐車場※
・自由提案施設(飲食、物販等)

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