洋上のグリーンアンモニア製造艦に開発着手、會澤高圧コンクリート

會澤⾼圧コンクリート(苫小牧市)は、10MW級の洋上風力タワーを支えるフルコンクリート製のセミサブ型浮体に、国際コンテナ型のアンモニア製造モジュールを搭載し、洋上で直接グリーンアンモニアを製造・貯蔵する「グリーンアンモニア製造艦」(Green Ammonia Production Ship)の実証機開発に着手した。

電気と水と空気からグリーンアンモニアを低圧省エネルギーで製造する技術を持つStarfire Energy(米コロラド州)、アンモニアを極めて少ないエネルギーで水素に転換する触媒技術を持つSyzygy Plasmonics(米テキサス州)と提携して、地域分散型グリーン水素サプライチェーンモデルの構築を目指す。

グリーンアンモニア製造艦上で洋上風力由来の再生可能エネルギーによって造られたグリーンアンモニアは、載貨重量1000t級のアンモニア運搬船で回収・運搬し、最寄り港に備蓄。アンモニアローリーで燃料のまま水素サービスステーション(SS)に運び、使用直前にSyzygy Plasmonicsの先端リアクターで水素に転換して、FCV(燃料電池自動車)やFCフォークリフトなどに供給する。

洋上風力で製造されたアンモニアを水素キャリアとして使う方法のメリットは下記の通り。

  • 風力発電の出力変動によらず、電力をそのまま燃料として常時蓄えられる(24時間、洋上で燃料をつくり続けるグリーン洋上油田)。
  • 水素輸送に掛かるコストを約7分の1に圧縮し、分散的な需要地において低コストで安全かつ安定的な水素サプライチェーンを構築できる。
  • 水素SS内に昇圧前の体積が大きい水素を貯蔵する必要がなくなり、水素SSを現行のガソリンスタンドより小型化できるうえ、水素の充填時間をガソリンの給油と同等か、それより短くできる。

グリーンアンモニア製造艦の実証機開発とアンモニア並びに水素の製造モジュールのプロトタイピングについては、特別目的会社(仮称Shin-Energy Inc.)を近く設立し、投資家や内外の事業会社のパートナーを募りつつ推進する。

 

グリーンアンモニア製造艦を利用した地域分散型のグリーン水素サプライチェーンモデル

(出所)會澤高圧コンクリートのプレスリリースを基に作成

InfraBiz
関連サイト
會澤高圧コンクリートのウェブサイト
Starfire Energyのウェブサイト
Syzygy Plasmonicsのウェブサイト
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