英国洋上風力のストライクプライスは5.1円/kWh、Ørsted落札のHornsea 3

英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省 (BEIS) は2022年7月、Contracts for Difference(CfD、差額決済契約)スキームのラウンド4の結果を発表。デンマークの洋上風力大手Ørsted〔Ørsted Hornsea Project Three (UK)〕は、Hornsea 3プロジェクト(2.852GW)を37.35ポンド/MWh(5.1円/kWh)のストライクプライス(特定の脱炭素技術への投資コストを反映した電力価格)で落札した。

CfDスキームは、2026~27年の稼働以降、最大15年間実施される。ストライクプライスは、CfD開始まで、および CfD期間全体にわたってインフレ指数に連動する。稼働開始時の1MWhあたり名目価格は、CfD開始までの累積インフレ率を考慮して決定され、参照価格(電力の平均市場価格)との差額が支払われる。CfD終了後は、電力市場価格を受け取るか、新しい電力購入契約(PPA)を締結することになる。

なお、CfDスキームのラウンド2(2017年9月)で、Ørsted(子会社Breesea)が落札したHornsea 2(1.32GW)のストライクプライスは、57.5ポンド/MWh(7.9円/kWh)だった。

Ørstedは今後、送電資産(洋上・陸上変電所、送電ケーブル)を含むHornsea 3をヨークシャーから160km沖合に建設する。発電所を2027年までに完全稼働させると、英国の規制に従って、送電資産は新しい所有者に譲渡する。 同社はHornsea 3への最終投資決定を、早ければ 2022年末までに行う予定だ。

Hornsea 3が稼働すると、同1(1.218GW)、同2(1.32GW)、同3(2.852GW)で構成されるHornseaゾーンは、合計容量5.39GWの世界最大の洋上風力発電ゾーンになる。さらに、同4(2.6GW)の計画が進められており、2023年初頭に事業化が決定される予定だ。

Ørstedが世界で有する洋上風力発電容量は、稼働中が7.5GW、建設中が3.5GW、開発中がHornsea 3を含む11GW。同社はこれまで英国の洋上風力発電に140億ポンドを投資し、合計6.2GWの洋上風力発電所の全部または一部を保有している(下表参照)。今後10年間でさらに140億ポンドを投資する計画だ。

Ørsted は2030年までに世界で30GWの洋上風力発電を設置する目標、英国政府は2030年までに50GWの洋上風力発電を運用する目標を掲げている。

Ørstedが英国で保有する洋上風力発電所

Ørstedが全部または一部を保有する洋上発電プロジェクトの総容量(出所)Ørstedの資料を基に作成

InfraBiz
関連サイト
Ørstedのウェブサイト
英国政府のウェブサイト
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