国内総合型インフラファンドのジャパン・インフラストラクチャー第一号投資事業有限責任組合(JI1号ファンド)が、大型系統用蓄電事業に出資する。
共同出資によって設立した多奈川蓄電所合同会社が、大阪府岬町の関西電力多奈川発電所跡地に、出力99MW/容量396MWhの多奈川蓄電所を開発する。単独の系統用蓄電所としては国内最大級。25年6月に着工し、28年2月に商業運転を開始する予定だ。
合同会社への出資割合は、JI1号ファンド50%、関西電力40%、きんでん10%。関西電力が開発を統括し、電力市場での蓄電池運用はE-Flow合同会社が担当。プロジェクトファイナンスを三菱UFJ銀行が組成する。
卸電力市場、需給調整市場、容量市場で充放電サービスを提供して対価を得る。電力市場の取引だけで運営する蓄電事業のプロジェクトファイナンスは本件が初めて。市場取引だけの蓄電事業は収益の予見性が低く、プロジェクトファイナンスは難しいとされてきた。
JI1号ファンドは、ジャパン・エクステンシブ・インフラストラクチャー(三井住友信託銀行90%出資)が23年に組成し、投資助言を行っている。

多奈川蓄電所のイメージ (出所)関西電力
<事業概要>
名称:多奈川蓄電所
事業者:多奈川蓄電所合同会社
出資者:ジャパン・インフラストラクチャー第一号投資事業有限責任組合(50%)、関西電力(40%)、きんでん(10%)
商業運転開始:2028年2月予定
設置場所:関西電力多奈川発電所跡地(大阪府岬町多奈川谷川)
定格出力/定格容量:99MW/396MWh
敷地面積:約20,000m2
電池方式:リチウムイオン電池