コンセッション空港の旅客数、減少幅が大きかった関空や静岡

コロナ禍の国内コンセッション空港の旅客数は、国際線旅客の多かった空港で打撃が大きいという予想通りの結果となった。国土交通省が集計したデータ(速報値を含む)を基に、2019年と2020年の旅客数を主要空港について比べてみた。

2020年の旅客数は、関西国際空港が前年比20%(国内44%、国際14%)。国際旅客が大幅に減ったことが響いた。静岡空港も前年比28%(国内39%、国際11%)と低調だ。コンセッション空港を運営するコンソーシアムのほとんどは、国際旅客を増やす成長戦略を描いているが、感染拡大による入出国制限に行く手を阻まれた格好だ。

一方で、国際線のない南紀白浜空港は減少幅が最も小さく、20年の旅客数が前年比59%だった。神戸空港の48%、大阪国際空港の46%なども、他と比べると落ち込みが小さい。

(出所)国土交通省のデータを基にインフラビジネスパートナーズが作成

コロナ禍による旅客数落ち込みは海外でも同様だ。IATA(国際航空運送協会)が2月に発表した2020年の旅客実績は、前年比66%減(国際76%減、国内49%減)となっている。

 

オリックスやVINCI Airportsの収益も大幅減

旅客数の落ち込みは、空港運営に携わる企業の業績にも表れている。関西3空港(関西国際、大阪国際、神戸)を運営するオリックスの第三四半期(4月~12月)連結決算におけるコンセッション事業のセグメント利益は68億円の赤字。前年同期は152億円の黒字だった。

関西3空港を含めて、12カ国で45空港を運営するフランスのVINCI Airportsの経営も厳しい。世界中の航空会社の活動が停滞したため、売上高が前年比62.4%減の9.9億ユーロ、EBIT(利払い・税引き前利益)が3.69億ユーロの損失となったと発表している。

InfraBiz
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