三井住友トラスト基礎研究所は、日本のインフラファンド投資市場規模を調査し、2024年3月末時点の資産額ベースで2兆3400億~2兆7900億円と推計した。
このうちファンドからの出資分は7700億~9700億円で、残りは融資などによる資金調達と考えられる。上場インフラファンド(5銘柄合計)は資産額ベースで3075億円。上場インフラファンド以外で国内インフラ投資残高が確認できた運用会社は40社を超えた。
私募インフラファンドの市場規模(資産額ベース)は、前年度比で1100億~1400億円の増加となった。増加幅は前年度の増加幅1500億~2400億円を下回っている。増加ペース減速の理由の1つとして、メガソーラーの投資案件の減少を挙げた。電力の需給バランスを保つために発電を停止する出力制御のエリアが拡大したことで、メガソーラーの価値評価が難しくなり、売り手と買い手の条件が一致しにくくなっている。
一方で、系統用蓄電池ファンドのほか、再エネ発電施設以外の社会インフラやデジタルインフラを投資対象とする総合型インフラファンドが相次いで組成され、ファンドが多様化する様子も確認できた。
調査は2018年から実施しており今回が7回目。国内のインフラに投資するファンドの公表情報を収集し、必要に応じて運用会社へのヒアリングも行って市場規模を推計した。
対象とするインフラは再生可能エネルギー発電施設(太陽光、風力、バイオマス、小規模水力、地熱)、火力発電所、空港、道路、通信施設など。データセンターは対象外としている。