2024年度版「PPP/PFI推進アクションプラン」の方向性、分野横断型に対応する新スキーム提示

内閣府はこのほど、2024年度に公表予定の「PPP/PFI推進アクションプラン(令和6年改訂版)」の方向性の案を示した。主要事項として分野横断型・複数施設型・広域型PPP/PFIの形成促進や、活用領域の拡大を掲げた。

(出所)内閣府の資料を基に作成

分野横断型など複数のPFI事業を推進するため、民間企業の形態の多様化についての検討も始めた。一つの案として、複数のPFI事業の受注を想定した新たな法人を設立し、企業の信用に基づくコーポレートファイナンスによって資金調達するスキームを提示している。

PFI事業の資金調達では、コンソーシアムを構成する企業がSPC(特別目的会社)を設立し、事業が生み出すキャッシュフローを返済原資とするプロジェクトファイナンスの手法を採ることが多い。これによって、事業が破綻した場合のリスクをSPCへの出資範囲に限定。コンソーシアム構成企業の倒産がPFI事業に影響しないことを狙う。ただ、実際には構成企業の倒産が事業に影響することもあり、コーポレートファイナンスによる事業も行われていることなども踏まえて、新たなスキームの必要性について議論を始めた。

(出所)内閣府の資料を基に作成

活用領域拡大では、自衛隊施設、水系全体でのカーボンニュートラル、集落排水も含めた分野横断型・広域型のウォーターPPP、火葬場などを挙げた。

自衛隊施設は重点分野としてアクションプランで位置づけ、再配置・集約に「防衛省版PPP」を適用する。防衛省は既に、多数の施設の建て替えや改修を前提としたマスタープラン作成やPPP/PFI手法導入の検討に着手している。

水系全体でのカーボンニュートラルは、治水ダムに水力発電の機能を加えるハイブリッドダムや、電力ダムも含めた複数ダムの連携、上下水道施設の再編による省エネ化などを想定した。

InfraBiz
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