東京都は2023年12月、都が20億円出資する「創エネ・蓄エネ推進ファンド」の運営事業者に、伊藤忠商事と英Gore Street Capitalを共同事業者として選定したと発表した。ファンドの目標規模はエクイティ金額で100億円、運用期間は約10年間。関東エリアにある東京電力管内の系統用蓄電池事業に投資する。系統用蓄電池の専業ファンド創設は国内初。伊藤忠とGore Street Capitalの共同事業者は、都の公募に応じた4者の中から選ばれた。
系統用蓄電池は、発電所からの送配電を担う電力系統に接続する蓄電池だ。電力が余った時に蓄電し、電力が不足した時に放電することで、電力の安定化に資する。国は、再生可能エネルギー発電の出力制御を減らす手段の1つとして、系統用蓄電池の導入を促している。
伊藤忠は大阪府で2025年の運転開始を目指して系統用蓄電池事業を進めるなど、国内において累計100MWh以上の系統用蓄電池案件の開発に関わっている。
Gore Street Capitalは、2018年に系統用蓄電池を投資対象とするインフラファンド(Gore Street Energy Storage Fund)をロンドン証券取引所に上場。欧州や北米に計1.17GWのポートフォリオを有する。同ファンドにはこれまで複数の日本企業が出資し、蓄電池ビジネスの知見を養ってきた。