関西電力がAIを活用した電力需給調整サービス、コスト削減額最大1.5倍

太陽光発電や蓄電池などの導入効果を高める新たなサービスが登場した。関西電力は、分散型エネルギーリソースをAI(人工知能)で最適制御するソリューション「SenaSon(セナソン)」の提供を、2023年4月から全国で法人向けに開始する。太陽光発電と蓄電池を組み合わせた実証に基づくシミュレーションでは、エネルギーコスト削減額が最大1.5倍に向上した。

AI最適制御により、太陽光発電に蓄電池を組み合わせたエネルギーコスト削減額が最大1.5倍まで向上する (出所)関西電力

建物内の電力需要や太陽光発電量を精緻に予測し、蓄電池からの放電や空調設備をリアルタイムに制御して省電力効果を高める。さらに、小売電気事業者などからのデマンドレスポンス(DR)指令に応じて分散型リソースを最適に制御することで、顧客のDR成果報酬を最大化する。

AIによる需要・発電予測に基づき、刻々と変動する建物内の電力需要や太陽光発電量を精緻に想定。電力系統からの受電電力(電力需要ー発電電力)を自動算出する。これに対して、EVや蓄電池、空調設備等の分散型リソースをリアルタイムに最適制御する (出所)関西電力

複数のリソースがある場合も一つの画面で管理することが可能だ。太陽光発電と蓄電池でサービスを開始し、2023年度中にEV(電気自動車)や空調設備も対象とする。

関西電力の太陽光発電と蓄電池のオンサイトサービスをこれから採用する場合は標準装備となり、費用はかからない。既に同社の設備を導入している顧客や、他社の設備を採用しているケースでは別途、費用がかかる。

InfraBiz
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