欧州の道路交通量は急減幅の過半回復、空港は回復に遅れ

伊アトランティアの直近の運営交通量を比較

イタリア・アトランティア(Atlantia)が運営する有料道路・空港の交通量は依然、低迷している。同社の道路子会社ASPI(Autostrade per l’Italia)とAbertis Infraestructurasが運営する欧州の有料道路(イタリア、スペイン、フランス)と、空港子会社のADR(Aeroporti di Roma)とACA(Aéroports de la Côte d’Azur)が運営する空港(ローマのフィウミチーノとチャンピーノ、フランスのニース)の2021年交通量(1月~4月)を、COVID-19パンデミック前の2019年同期と比較すると、道路交通量は9~47%減、空港旅客数は68~91%減となっている(図表1)。

道路部門のASPI(アトランティアの出資比率88.1%)はイタリア国内で2855km、Abertis(同50.4%)はスペインで1777km、フランスで2036kmの有料道路を運営している。空港部門のADR(同99.4%)はローマのフィウミチーノとチャンピーノの2空港、ACA(同38.7%)はフランスのニース、カンヌマンドリュー、サントロペの3空港を運営している。

各国の移動制限措置によって、道路交通量は増減の変動が大きくなっているのに対し、空港旅客数は低位で推移している。パンデミック宣言直後の2020年4月(第14~18週)と1年後の2021年4月の交通量を、2019年同期と比較(図表1と図表2の第14~18週の平均値を比較)すると、2020年4月の道路部門の3カ国平均は2019年同期比78.6%減、空港部門の3空港平均が同98.8%減、2021年4月の道路部門の2019年同期比は36.1%減、空港部門が88.3%減だった。道路部門はここ1年、増減を繰り返しながら、21年4月の減少幅は半分以下に縮小している一方、空港部門は最悪期を脱したものの、戻り方は依然として遅い。

図表1■有料道路・空港の2021年交通量の2019年同期比

(出所)Atlantiaのニュースリリースを基に作成

図表2■有料道路・空港の2020年交通量の2019年同期比

InfraBiz
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