公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のインフラ投資の時価総額が2兆円を超えた。このほど公表した「2024年度 業務概況書」で明らかになった。
インフラは、不動産、プライベートエクイティ(PE)と共にオルタナティブ資産に分類されている。オルタナティブ資産は、伝統的な投資対象である上場株式や債券とは異なるリスク・リターン特性を有することから、ポートフォリオに組み入れることによってリスク分散効果や超過収益獲得が期待できる。オルタナティブ資産は、資産全体の5%を上限として運用するルールだ。
25年3月末時点のオルタナティブ資産の時価総額は4兆1877億円。このうちインフラは2兆653億円で、1年前から2130億円増えた。年金積立金全体に占める割合は、オルタナティブ資産が1.63%、インフラ資産が0.80%。
インフラ投資は、長期契約に基づく安定したリターンを期待する運用方針を採用。地域、セクター、時期の分散に配慮して、主にインフラ事業のエクイティ(投資持分)を投資対象とするファンドに投資している。
国別の投資割合上位は米国31%、英国17%、豪州9%。日本は前年から2ポイント増えて5%になったものの、投資機会は限られている。セクター別では再生可能エネルギー19%、通信18%、ユーティリティ(電気、ガス)13%の順。投資開始以来のインフラ投資のIRR(内部収益率)は円建てで10.35%。
詳細は「インフラ・グリーン・デジタル投資動向」に掲載します。