減収減益で洋上風力再構築、日本市場の優先順位も引き下げ、デンマークØrsted

洋上風力最大手のデンマークØrsted(オーステッド)の2023年売上高は792.55億DKK(前年比31%減)(1兆6600億円、1DKK=21円で換算)、EBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)が187.17億DKK(同42%減)、EBITが178.53億DKKの赤字、当期利益(損失)が201.82億DKK(4200億円)の赤字と、大幅な減収減益となった。

既存の洋上風力や陸上(風力、太陽光)資産で発電量が増加したものの、英国洋上風力の売却、陸上資産・バイオエネルギーの電力価格の低下、電力・ガス販売量の減少の影響で、売上高は減少した。

EBITDA、EBIT、当期利益(損失)については、英洋上風力London Arrayの25%株式売却やドイツGode Wind 3の50%株式のファームダウン(最終投資決定後1~2年でインフラ投資家やインフラファンドに一部権利を売却)で株式売却益を上げたが、それ以上に影響したのが、米洋上風力Ocean Wind 1の開発中止に伴う減損(199億DKK)と解約料(96億DKK)を合わせた295億DKK(6200億円)の損失だ。Ocean Wind 1ではインフレ、金利上昇、サプライチェーンの問題(調達の遅延)、許認可の遅滞が重なり、開発中止に追い込まれた。米国の他事業も含めて、減損損失は268億DKKに上っている。

Ørstedの洋上風力、陸上(風力・太陽光、蓄電池)、バイオエネルギー、P2X(Power to X)の導入済み容量(2023年末)は合計15.731GW。洋上風力ではデンマーク、英国、ドイツ、オランダ、米国、台湾などに発電所を所有し、導入済み容量は8.871GW。建設中6.672GW、受注済み3.677GWとの合計は19.22GW。Ocean Wind 1の開発中止などの影響で、合計容量は前年から3GW減少している。

2023年の主な事業実績は下記の通り。

  • 洋上風力のHornsea 3(英国、2.852GW)、Greater Changhua 2b & 4(台湾、0.9GW)、Revolution Wind(米国、0.7GW)で最終投資決定・着工。Incheon(韓国、1.6GW)で電力事業ライセンスを取得。Gode Wind 3(ドイツ、0.3GW)のファームダウン(50%株式)、London Array(英国、0.6GW)の売却(25%株式)
  • 陸上風力と太陽光で商用運転開始(0.6GW)
  • e-メタノールプロジェクトFlagshipONE(スウェーデン、70MW)の着工
  • 初のCCS(CO2回収・貯留)プロジェクト(デンマーク)の受注・着工

今後の事業方針として下記を掲げた。2023~25年の配当は停止する。

  • 米国の洋上風力発電ポートフォリオは北東大西洋に再焦点
  • ノルウェー、スペイン、ポルトガルから撤退。日本を含む他市場での開発の優先順位を引き下げ
  • 浮体式洋上風力発電とP2Xの開発
  • 新規パートナーシップ(ファームダウン)と資産売却プログラムの加速

2030年に向けての目標数字は下記の通り。

  • 導入容量目標:35~38GW。内訳は、洋上風力20~22GW、陸上(風力、太陽光、蓄電池)11~13GW、バイオエネルギー2GW、P2Xが1GW。50GWとしていた従来目標を引き下げ
  • 設備投資計画:2024~30年に2700億DKK。洋上風力に全体の70%、陸上に25%、P2X・バイオエネルギーに5%
  • 資産売却:2024~30年に1150億DKK
InfraBiz
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