イーレックス、石炭火力の糸魚川発電所を取得しバイオマス発電に転換

糸魚川発電所(出所)イーレックス

イーレックスは8/1、新潟県の石炭火力発電所「糸魚川発電所」(定格出力149MW)のJパワー持ち分を取得した。事業会社である糸魚川発電株式会社の株式の64%をJパワーが、残り36%を太平洋セメントが保有していた。取得額は非公表。イーレックスはバイオマス発電所として改修する計画だ。同社初のNon-FIT発電事業となる。

イーレックスは石炭火力のバイオマス混焼・専焼を重要な戦略の一つに掲げ、石炭火力トランジションに取り組んでいる。既存設備を有効活用することで投資コストを抑制し、価格競争力のあるバイオマス燃料を調達して、再生可能エネルギー電源の安定供給を目指す。

糸魚川発電所は太平洋セメントが2001年に設置し、2003年にJパワーが事業会社の株式の80%を取得して共同事業化した。当時の契約最大出力は134MW 。太平洋セメントが事業会社に固定資産を譲渡した際の金額は105億円だった。糸魚川発電株式会社の2021年3月期は、売上高64億円、純利益6700万円となっている。

石炭火力発電を取り巻く環境は大きく変化している。脱炭素に向けて主要国は、石炭火力の廃止に向けて取り組んできた。しかし、ロシアのウクライナ侵攻以降、エネルギー危機に直面し、足元では石炭火力を維持する動きが出ている。日本政府は非効率石炭火力の削減を進めつつ、安定供給を支える電源として非効率な石炭火力の段階的削減や石炭火力の高効率化を促進する方針だ。

 

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