竹中平蔵・慶應義塾大学名誉教授は3月11日に公開した自身のYouTubeチャンネルで、「羽田と成田を統合してコンセッションにかけて民間に運営させ、世界を代表する空港にするべきだ」と語った。関西三空港(関西国際空港、大阪国際空港、神戸空港)を例に、羽田空港(東京国際空港)をファーストクラスやビジネスクラスを主とする空港に、成田空港(成田国際空港)をLCC(格安航空会社)や貨物を中心とする空港に役割分担する案を紹介した。
竹中氏は政府の成長戦略会議に有識者として参加しており、規制改革の推進と併せて競争環境の整備の重要性を訴えてきた。羽田や成田へのコンセッション方式の導入は、2月17日の成長戦略会議でも問題提起している。ほかにも、以下のような疑問を投げかけている。
- エアライン産業における過去の政策(特定企業の実質救済)は、競争を歪めているのではないか?
- 電力の自由化が進んだことになっているが、発電市場は大手電力が8割を占め、発電と小売は同一会社で運営されている。小売部門のみの新電力が圧倒的に不利な状況ではないか?
- 「特殊法人等整理合理化計画」(2001年)民営化対象32社のなかに、政府・自治体などが全ての株式を保有し民間開放が進んでいない法人が存在するが、これでよいのか?
3月20日に公開した動画でも、関西国際空港や仙台空港のコンセッション事業を例に、「同じ事をやるなら、政府がやるよりも民間がやった方が絶対に効率がよい」と指摘した。