洋上風力最大手のデンマークØrsted(オーステッド)の2025年売上高は732.44億DKK(前年比3%増、1DKK=24円として1兆7600億円)、EBIT(利払い・税引き前利益)は86.20億DKK(同40%増)、純利益は31.65億DKK(23年は201.82億DKKの赤字、24年は1600万DKKの黒字) であった。
利益を確保したが、23年の268億DKK、24年の156億DKKの減損損失に続き、25年も米国洋上風力事業などで36.33億DKKの減損損失を計上した。一方で、英国と台湾の洋上風力や欧州の陸上(太陽光・風力・蓄電池)事業の資産を売却して財務改善を図っている。
米国事業での減損損失は、25年8月にRevolution Windプロジェクトに発令された工事中止の影響、同年12月にはRevolution WindとSunrise Windに発令されたリース中止の影響を受けた。Sunrise Windは工事遅延・コスト増の影響で残存の損失がまだ大きい(28.28億DKK)。事業全体にわたって鉄鋼とアルミニウムに対する50%の関税および相互関税の影響がある一方、金利低下と市場価格の上昇で一部が相殺された。
その結果、米国事業の減損損失は16億DKKとなった。事業別の内訳は、洋上風力が27億DKKの減損損失、陸上事業が11億DKKの減損戻入(長期金利低下や市場価格上昇による将来キャッシュフロー前提条件の改善)。
欧州事業では英国CfD(差額決済契約)ラウンド6(24年9月)で落札した洋上風力Hornsea 4(2.4GW)を「現在の形でのプロジェクト開発を中止」する影響(5億DKK)、陸上(風力・太陽光・蓄電池)事業売却の影響(売却前提の評価額の減損損失16億DKK)を受けた。
Hornsea 4については25年5月、開発中止の決定を公表。経済・市場環境の悪化による採算性の低下が理由だ。ただし、権利(海底権・送電接続・開発同意命令)は保持しており、条件が改善すれば再開可能性を残している。
欧州陸上事業の売却は財務改善の一環。26年2月、欧州陸上事業をデンマーク投資会社Copenhagen Infrastructure Partners(CIP)に14.4億DKKで売却することに合意した(26年Q2に完了予定)。この取引には稼働中(578MW)と建設中(248MW)の発電資産、陸上風力・太陽光発電・蓄電池プロジェクトの開発パイプラインが含まれる。
25年末には英Hornsea 3の株式50%をAppollo Global Managementに売却完了し、台湾Greater Changhua 2(運転中の2aと建設中の2bを含む)の株式55%は26年Q3にCathay Life Insuranceに売却完了を予定。欧州陸上事業の資産売却によって、財務改善を目的に策定した売却プログラムが完了する。25~26年にかけて合計460億DKKの売却益を計上する。
Ørstedが関与している洋上風力の設備容量は、前年(22.025GW)から減少して20.422GW(稼働中10.156GW、建設中8.111GW、受注済み2.155GW)になっている。
