洋上風力発電の進捗状況(更新4)――遊佐町沖・いすみ市沖の追加、秋田沖・銚子沖の施工者

洋上風力発電事業における「各海域の進捗状況と計画・実施事業の発電容量」の図表について、下記の内容を追加し、「更新4」として整理した。

  • 再エネ海域利用法に基づく有望な区域の「山形県遊佐町沖」で2022年1月、伊藤忠商事が山形県飽海郡遊佐町沖着床式洋上風力発電事業(494MW)の計画段階環境配慮書を経済産業大臣に送付した。
  • 同じく有望な区域の「千葉県いすみ市沖」で2022年1月、レノバが千葉県いすみ市沖洋上風力発電事業(450MW)の計画段階環境配慮書を経済産業大臣に送付した。

下図表中、前回の進捗状況(更新3)から情報更新した箇所を赤字で示した。再エネ海域利用法に基づく指定・整理について、事業者選定済みが4区域、事業者公募中が1区域、「有望な区域」が7区域、「準備段階」が10区域であることは、前回と変わらない。事業者選定済みの4区域の計画設備容量(計1.7GW)と、事業者選定前の各区域の最大計画設備容量の合計は11.2GWとなる。

そのほか、事業者選定済みの秋田沖・銚子沖で動きがあった。

2021年12月に「秋田県能代市、三種町及び男鹿市沖」、「秋田県由利本荘市沖」、「千葉県銚子市沖」の事業者に選定された、三菱商事エナジーソリューションズ・三菱商事・シーテックからなるコンソーシアム(由利本荘市沖ではウェンティ・ジャパンが加わる)の協力企業として、鹿島Japan Offshore Wind & Marine Contractors(オランダVan Oord Offshore Windの日本法人)からなる鹿島・バンオードJVが建設工事に参画する。

鹿島は、住友電気工業とJVを組んで秋田港湾区域内と能代港湾区域内(いずれも事業者は秋田洋上風力発電)で2022年末までの竣工を目指して建設工事を進めているほか、五洋建設・寄神建設とともに1600t吊りクレーン搭載のSEP(自己昇降式作業台)船を2022年9月の完成予定で建造中だ。Van Oord Offshore Windは、三菱商事と中部電力が買収したオランダEnecoとともに参画しているオランダのBorssele(ボルセレ)III/IV発電所(出力732MW、出資:INPEX Renewable Energy Europe 15%、Eneco 10%、Royal Dutch Shell 20%、Van Oord 10%、Partners Group 45%)など、欧州で40件以上の洋上風力発電プロジェクトを手掛けている。

図表■各海域の進捗状況と計画・実施事業の発電容量(更新4)

(出所)経済産業省や環境影響評価手続きに関する関係各社のウェブサイトなどを基に作成

 

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詳しくは、日経BPの紹介サイトをご覧ください。本レポート中、日本の洋上風力市場に熱い視線を送っている海外企業3社のインタビューが第4章に収録されています。企業名と目次見出しは下記の通りです。

  • Iberdrola(スペイン)「コミュニティーの一員として日本の洋上風力発電事業に参画したい」
  • Principle Power(米国)「日本の海域に適した浮体式洋上風力技術を提供できる」
  • RTE international(フランス)「日本の洋上風力発電事業でも高圧直流送電が支配的になる」

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