洋上風力発電事業における「各海域の進捗状況と計画・実施事業の発電容量」の図表について、下記の情報を追加し、「更新3」として整理した。
- 再エネ海域利用法に基づいて事業者公募中(締切2022年6月10日)の「秋田県八峰町及び能代市沖」で2022年1月、JERAが「八峰町及び能代市沖における洋上風力発電事業」(356MW)の計画段階環境配慮書を経済産業大臣に送付した。同海域で「秋田県八峰町及び能代市沖洋上ウィンドファーム事業」(360MW)の計画段階環境配慮書を送付していたRWE Renewables Japan、九電みらいエナジーには同年1月、経済産業省から意見書が示された。同海域の公募競争には上記のほか、東京電力リニューアブルパワー、ジャパン・リニューアブル・エナジー、東北電力、ENEOS、三菱商事エナジーソリューションズなどが参画すると見られる。
- 再エネ海域利用法に基づく有望な区域の「青森県沖日本海(南側)」で青森県沖日本海(南側)洋上風力発電事業(900MW)の計画段階環境配慮書を送付していたRWE Renewables Japan、三井物産、大阪ガスに2022年1月、経済産業省から意見書が示された。
- 同じく有望な区域の「山形県遊佐町沖」で2021年12月、「遊佐沖洋上風力発電に係る環境アセスメント共同実施コンソーシアム」(代表:加藤総業)が、構成員20社共同の環境影響評価方法書を経済産業大臣に送付した。構成員20社(および事業)は以下の通り。加藤総業、コスモエコパワー(山形県遊佐沖洋上風力発電事業)、石油資源開発、九電みらいエナジー(遊佐町沖洋上風力発電事業)、住友商事(山形県庄内遊佐町沖洋上風力発電事業)、SBエナジー(山形県遊佐町沖における洋上風力発電事業)、丸紅、関西電力(山形県遊佐町沖着床式洋上風力発電事業)、インベナジー・ウインド(山形遊佐町沖洋上風力発電事業)、その他の構成員:ジャパン・リニューアブル・エナジー、RWE Renewables Japan、INFLUX、JR東日本エネルギー開発、JERA、電源開発、東北電力、三井不動産、三菱商事エナジーソリューションズ、レノバ、ユーラスエナジーホールディングス。計画設備容量は最大450MW(単機出力9.5~15MW×最大52基、総発電出力が系統接続容量450MWを上回る場合はこれを下回るように出力調整する)。なお、コンソーシアムとは別に、東京電力リニューアブルパワー、中部電力、日本風力開発が環境影響評価手続きを実施中である。
- 準備段階の佐賀県唐津市沖で2022年1月、レノバが佐賀県唐津市沖洋上風力発電事業(400MW)の計画段階環境配慮書を経済産業大臣に送付した。同海域では、大阪ガス、イベルドローラ・リニューアブルズ・ジャパン、INFLUX、日本風力エネルギーなどが事業開発中と見られる。
- そのほか、「新潟県村上市及び胎内市沖」での大林組による新潟県村上市・胎内市沖洋上風力発電事業(600MW)、「鹿児島県阿久根市、薩摩川内市及びいちき串木野市の沖合」での日本風力エネルギー、南国殖産による「鹿児島県における洋上風力発電事業」(1500MW)を追加した。
図表中、前回(2021年12月26日)の進捗状況から追加した上記の情報を赤字で示した。再エネ海域利用法に基づく指定・整理について、事業者選定済みが4区域、事業者公募中が1区域、「有望な区域」が7区域、「準備段階」が10区域であることは、前回と変わりない。事業者選定済みの4区域の計画設備容量(計1.7GW)と、事業者選定前の各区域の最大計画設備容量の合計は10.7GWとなる。
図表■各海域の進捗状況と計画・実施事業の発電容量(更新3)
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詳しくは、日経BPの紹介サイトをご覧ください。本レポート中、日本の洋上風力市場に熱い視線を送っている海外企業3社のインタビューが第4章に収録されています。企業名と目次見出しは下記の通りです。
- Iberdrola(スペイン)「コミュニティーの一員として日本の洋上風力発電事業に参画したい」
- Principle Power(米国)「日本の海域に適した浮体式洋上風力技術を提供できる」
- RTE international(フランス)「日本の洋上風力発電事業でも高圧直流送電が支配的になる」