カナダのオンタリオ州公務員年金基金（OMERS）のインフラ投資を担うOMERS Infrastructureはこのほど、米国の風力発電所「Vento II」の持ち分を、Atlantica Sustainable Infrastructureに売却する契約に署名したと発表した。
売却価格は、取得価格と同じ1.965億米ドル（約214億円）だ。Vento IIはミネソタ、イリノイ、オレゴン、テキサスの4州の風力発電所で構成され、総発電出力596MW。OMERSはVento IIの株式の49％を2012年に取得していた。
2020年の投資実績
コロナ感染症拡大は、OMERSの資産運用にも影響を及ぼした。2020年のネットリターンは資産全体で－2.7％と、前年の11.9％から大幅にダウンした。このなかにあって実物資産のインフラは、最も高い8.6％（前年8.7％）を記録。対照的に不動産は最も低い－11.4％（前年8.3％）だった。
（出所）OMERS
OMERSの資産残高は1073億ドル。このうちインフラが221億ドル（20％）、不動産が150億ドル（14％）を占める。インフラの投資対象は、北米や欧州の大規模なインフラサービス、エネルギーが中心だ。社会に欠かせないサービスを提供するインフラは、参入障壁も高く景気の影響を受けにくい。OMERSは2020年のインフラ投資を振り返り、交通系のインフラはパンデミックの影響を受けたものの、発電や公益事業などの規制資産は安定した業績を上げたと評価している。