投資したいインフラセクター、データセンターが再エネ発電を上回る

三井住友トラスト基礎研究所は2025年8月、インフラ投資に関する調査結果を発表した。年金基金(確定給付企業年金、公的年金、厚生年金基金)と機関投資家(銀行、保険会社など)を対象として5月に実施。79件の回答を集計した。

今後のインフラ投資方針に関する設問では、「既に投資しており、今後、投資額を増やす予定」が機関投資家で48%と、24年の調査から大幅に増えた。年金基金は「投資検討すべき投資対象の1つ」と「既に投資しているが、当面、新規の投資を行わない」が共に27%で、過去2年間と比較して慎重な姿勢がうかがえる。

今後のインフラ投資方針 (出所)三井住友トラスト基礎研究所

今後投資を増やしたい・開始したいセクターは、年金基金と機関投資家の合計で「データセンター」が最多となった。「社会インフラ(教育・福祉・防衛などの公共施設)」、「新エネルギー(水素関連等)」が同数。これまで上位を占めてきた「再生可能エネルギー発電」は順位を下げた。調査結果は、再エネ発電に代わる投資対象を模索する傾向の表れだと分析している。

今後投資を増やしたい・開始したいセクターの内訳 (出所)三井住友トラスト基礎研究所

リターンの充足条件は「海外・稼働中案件(エクイティ)米ドル建て」、「同ユーロ建て」、「日本国内・稼働中案件(エクイティ)円建て」について、年金基金と機関投資家にそれぞれ質問。この結果、機関投資家が日本国内・稼働中案件(エクイティ)円建てに期待する投資IRR(内部収益率)は「5~7%」が47%で最多。24年の調査結果と比べると、高いリターンを求める傾向が表れた。一方、年金基金が海外・稼働中案件(エクイティ)米ドル建てに求める投資IRRは「7~9%」と「9~11%」がいずれも39%。24年と比べると、低めのリターンで充足する回答が増えている。

調査結果の詳細は、三井住友トラスト基礎研究所のウェブサイトで見られる。

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