GPIFのインフラ資産1兆4478億円、日本は4%

世界最大規模の機関投資家であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のインフラ資産の時価総額が、2023年3月末時点で1兆4478億円になった。1年前から3690億円増えた。このほど公表した「業務概況報告書」で明らかにした。GPIFの投資実績から、長期の運用を志向する機関投資家のインフラ投資に対するスタンスを把握することができる。

インフラは、不動産、プライベート・エクイティ(未公開株)と共に、オルタナティブ資産に分類して運用している。オルタナティブ資産は、伝統的な投資対象である上場株式、債券とは異なるリスク・リターン特性を有する。ポートフォリオに組み入れることによってリスク分散や運用効率向上が期待できる。

GPIFは資産全体の5%を上限としてオルタナティブ資産を運用。安定したリターンを求めるため、インフラは先進国の稼働中案件を対象に、地域、セクター、時期の分散に配慮して投資している。

国別の投資割合は、米国30%、英国21%、豪州11%、スペイン6%などとなっており、日本は4%だ。セクター別では再生可能エネルギーが19%で最も多く、次いでユーティリティ(電気/ガス)16%、通信13%の順だ。投資実績からは、投資家の資金の受け皿となる日本のインフラが限られており、投資家が国外に投資先を求めてきたことも浮かび上がる。

オルタナティブ資産の運用開始以来のIRR(内部収益率)は円建てで9.97%。インフラは8.44%だった。

 

GPIFや海外機関投資家のインフラ投資に関する情報は、月次レポート「インフラ・グリーン・デジタル投資動向」で逐次、解説しています。

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