大和証券グループ本社の子会社である大和エナジー・インフラが、風力発電事業や高速道路運営事業などに投資を多様化している。2023年3月、英国Hornsea One洋上風力発電事業の一部持分の取得について合意したと発表した。
Hornsea Oneはデンマークに本社を置くØrstedが開発主体となった総設備容量1.2GWの洋上風力発電事業で、2019年に運転を開始した。大和エナジー・インフラは、英インフラファンドのEquitixとのパートナーシップに基づいて参画する。
英国では、Capital Dynamicsがスコットランド北部に開発する総設備容量50MWの陸上風力発電事業にも投資する。大和エナジー・インフラと、みずほ銀行、みずほリースの共同投資だ。2025年後半の運転開始を予定している。
英国スコットランド北部の陸上風力発電所開発イメージ （出所）大和エナジー・インフラ
1月には、アイルランドで高速道路を運営するCeltic Roads Groupの株式の一部を取得することも発表した。同社は、アイルランドの南東部に位置する高速道路 N25 Waterford Bypassを運営している。
大和エナジー・インフラの投融資残高は2022年12月末で1240億円。投資対象の約8割が再生可能エネルギーだ。2022年には浜松市を中心に所在する低圧太陽光発電所82カ所、16.7MW相当をバルクで取得。北海道では、レノバ、三菱マテリアルなどと共に地熱発電の開発も進めている。
今後は、市場での売電価格に一定の補助額を上乗するFIP（Feed-in Premium）や、需要家が発電事業者から直接電力を調達するPPA（Power Purchase Agreement）の再エネ案件にも投資を広げる。2023年度の残高目標は2000億円、中長期的には3000億円規模を目指す。ポートフォリオを整えた段階で、ファンド組成によって外部資本を導入する計画だ。