コンセッション事業も投資対象とするインフラファンド、1号案件は八峰風力発電

インフラ事業への投資・運営、コンサルティングなどを手掛けるグローバル・インフラ・マネジメント(本社、東京都)は7月5日、PPP(官民連携事業)を含む稼働済み案件と、開発・未稼働案件をそれぞれ主な投資対象とする2種類のインフラファンドを組成したと発表した。当面の目標として数百億円規模のファンドを目指す。

二つのファンドのうち一つは、コンセッション事業を含む国内の稼働済みインフラ事業を対象とし、インカムファンドとして投資家に安定したリターンの機会を提供する。交通・輸送、観光・文教・エンターテインメント、地域ユーティリティサービス、環境・エネルギーなど、総合型のインフラファンドを志向。第1号投資案件として、前田建設工業が開発した秋田県の八峰風力発電事業を組み入れた。2019年2月に運転を開始した発電容量19.95MWの陸上風力発電事業で、現時点のファンド規模は60億円。グローバル・インフラ・マネジメントとSMFLみらいパートナーズがファンドの運用を担う無限責任組合員となり、三菱UFJ信託銀行や、その他の国内機関投資家が有限責任組合員として出資する。

もう一つのファンドは、開発・未稼働案件や公募案件などを投資対象とし、規模は101億円。事業化を促す意味から「アセット・クリエーション・ファンド」と呼んでいる。グローバル・インフラ・マネジメントがファンドを運用し、東急、インフロニア・ホールディングス、SMFLみらいパートナーズ、三菱UFJ信託銀行が有限責任組合員として参画した。

グローバル・インフラ・マネジメントの株主は、東急と、前田建設工業の持ち株会社であるインフロニア・ホールディングスだ。両社は日本におけるコンセッション事業の先駆者であり、最多の運営実績を有する。

東急は、国管理空港としてコンセッション方式第1号の仙台空港のほか、静岡空港、北海道7空港、広島空港などの事業に参画。インフロニア・ホールディングスは、仙台空港のほか、愛知県有料道路、愛知県国際展示場、愛知県新体育館、大阪市工業用水道と、幅広い分野のコンセッション事業に携わっている。グローバル・インフラ・マネジメントは、出資2社以外のコンセッション事業も含めて、ファンドの候補案件と位置づけている。

 

InfraBiz
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