インフラ投資・運営、2024年の10大ニュース

インフラビジネスパートナーズはインフラ投資・運営分野の10大ニュースを選んだ。主な出来事から2024年を振り返る。

①運営権対価528億円、国立競技場運営コンセッション事業
②仙台空港コンセッション事業を組み入れたインフラファンド
③ペロブスカイト太陽電池導入目標2040年に20GW
④東京メトロが年間最大の上場
⑤東京海上傘下で世界市場での闘いに挑むID&E
⑥上場インフラファンドの価格下落、分配金戦略変更も
⑦JOINの巨額損失、海外インフラ開発リスク露呈
⑧BlackRockのインフラシフト、GIPやPreqinを買収
⑨海外勢の強さが目立った長期脱炭素電源「蓄電池」オークション
⑩デンマークOrstedや豪企業が水素関連事業から相次いで撤退

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①運営権対価528億円、国立競技場運営コンセッション事業
日本スポーツ振興センターは、国立競技場運営コンセッション事業の運営権者としてNTTドコモ、前田建設工業、SMFLみらいパートナーズ、日本プロサッカーリーグのグループを選定し、契約した。運営権対価がつかないという前評判もある中で528億円のビッグディールとなった。

②仙台空港コンセッション事業を組み入れたインフラファンド
海外では当たり前のファンドによる空港コンセッション事業への投資が、日本でも動き出した。グローバル・インフラ・マネジメントとSMFLみらいパートナーズは、国内の稼働済みインフラ事業を投資対象としたインフラファンドを組成し、仙空空港運営会社の株式を取得した。

③ペロブスカイト太陽電池2040年に20GW目標
政府が発表した次期エネルギー基本計画の原案は、2040年までにペロブスカイト太陽電池を20GW導入する目標を掲げた。軽い・薄い・曲がるの特性を有するペロブスカイト太陽電池は、電力需要の多い都市部での発電や自家消費の拡大による系統負荷の抑制が期待できる。

④東京メトロが年間最大の上場
東京地下鉄(東京メトロ)が東証プライム市場に上場した。時価総額は9470億円。初値ベースでは半導体メモリー大手のキオクシアホールディングスを上回って年間最大。

⑤東京海上のTOB受け入れで世界への扉を開くID&E
日本工営の持ち株会社で日本最大の建設コンサルタントグループであるID&Eホールディングスは、東京海上ホールディングスのTOB(株式公開買い付け)に賛同表明。世界トップクラスのエンジニアリング企業を目指す。

⑥上場インフラファンドの価格下落、分配金戦略の変更も
上場インフラファンドは2024年、大幅な価格下落に見舞われた。FIT(固定価格買取制度)の太陽光発電所を主な投資対象とする上場インフラファンドは転機を迎えている。

⑦JOINの巨額損失、海外インフラ開発リスク露呈
官民インフラファンドの海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)が巨額の損失を計上。国土交通省の有識者委員会はリスク管理の厳格化を条件にJOINの存続を認めたが、官民ファンドのあり方が改めて問われることになった。

⑧BlackRockのインフラシフト、GIPやPreqinを買収
世界最大の資産運用会社である米BlackRockは、米独立系インフラ投資ファンドのGIP(Global Infrastructure Partners)と、英調査会社のPreqin(プレキン)を相次いで買収した。背景には、世界のプライベートインフラ投資市場が大きく成長するとの展望がある。

⑨海外勢の強さが目立った長期脱炭素電源「蓄電池」オークション
電力広域的運営推進機関が長期脱炭素電源オークションの約定結果を公表。蓄電池電源の入札は激しい競争となった。落札者で目立ったのは海外で実績を積んだプレーヤーだ。

⑩デンマークOrstedや豪企業が水素関連事業から相次いで撤退
海外企業が水素関連事業からの撤退や保留・中止を相次いで表明した。民間事業者にとって、市場形成の見通し、事業リスク軽減策が不可欠であることは万国共通だ。

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