GPIFのインフラ時価総額、1兆8523億円に拡大

公的年金の積立金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の2024年3月時点のインフラ時価総額は、1年前から4045億円増えて1兆8523億円になった。その実績からは、超長期の投資家としてのインフラ投資に対するスタンスが把握できる。

インフラは、不動産、プライベートエクイティ(PE)と共にオルタナティブ資産に分類されている。オルタナティブ資産は、伝統的な投資対象である上場株式や債券とは異なるリスク・リターン特性を有することから、ポートフォリオに組み入れることによってリスク分散効果や運用効率向上が期待できる。オルタナティブ資産は、資産全体の5%を上限として運用するルールだ。

  

インフラの国別の投資割合上位は米国28%、英国18%、豪州9%で、日本は3%だった。セクター別では再生可能エネルギー18%、通信18%、ユーティリティ(電気/ガス)15%の順。通信の比率は1年前から5ポイントアップした。投資開始以来のインフラのIRR(内部収益率)は円建てで10.95%。

GPIFはインフラ投資に際して、社会・経済活動が安定した先進国の稼働中案件を対象に、長期契約に基づく安定したリターンを期待する「コア型」の運用戦略を採用。地域、セクター、時期の分散に配慮して、主にインフラ事業のエクイティを投資対象とするファンドに投資している。

2024年3月には、オランダ公務員年金基金ABPの資産を運用するAPGアセットマネジメントと、海外先進国のインフラをを主な対象とする共同投資を開始した。投資事業有限責任組合(LPS)を通じ、再生可能エネルギー、ファイバーネットワーク、交通施設などに投資する計画だ。投資予定期間は15年間で、10億ユーロの出資を確約している。

InfraBiz
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