ドイツの国土面積は日本とほぼ同じだが、EV充電器の普及数約9万は日本の約3倍。2030年の目標は100万で、日本が新たに設定した目標30万の3倍強だ。そのドイツでは、ファンドの資金を用いたEV充電器の整備が進む。
資産運用会社のPATRIZIAは2023年10月、ファンドを通じてドイツのスーパーマーケットチェーン「Tegut」200店舗に、NumbatのEV急速充電器400基を設置する契約を結んだと発表した。総投資額1億4000万ユーロ(約220億円)は、PATRIZIAの出資約7000万ユーロとドイツの銀行団からの融資約7000万ユーロからなる。充電装置は最大出力300kW。PATRIZIAは、欧州全土にNumbatのEV充電器を展開する資金供給の権利も確保した。
PATRIZIAは世界の28拠点で事業を展開しており、運用資産額は約580億ユーロ。日本では2021年、3~4年内に運用資産規模3000億円を目指して事業を加速すると発表。2023年1月にはPATRIZIAと三井物産が、アジア太平洋諸国を対象にしたインフラファンドを創設することを明らかにしている。豪州、日本、シンガポール、韓国、ニュージーランド、台湾などのエネルギー、デジタル、ソーシャル、モビリティーを主な投資対象とし、最大10億米ドルの資産規模を目指す。