PPP/PFI推進アクションプラン、「ウォーターPPP」など10年間で575件目標

政府は6月2日に民間資金等活用事業推進会議を開催し、「PPP/PFI推進アクションプラン(令和5年改定版)」を決定した。PPP/PFIを新たな官民連携の柱と位置づけ、2022年度からの10年間で30兆円の事業規模の達成に向けて推進する。コンセッション方式を中心に、10年間で具体化を狙う重点分野の事業件数として575件を掲げた。昨年度のアクションプランで示した「5年間で少なくとも具体化すべき事業件数70件」から大幅に拡充した。「具体化」の範囲は、実施方針公表予定や事業実施に向けた具体的な検討などを含めて広く定めている。

新アクションプランが強く打ち出したのは、水道、下水道、工業用水道など水分野の官民連携強化だ。コンセッション方式へと段階的に移行するための「管理・更新一体マネジメント方式」を新たな方式として位置づけ、コンセッション方式と併せて「ウォーターPPP」と呼称。10年間の目標を225件(水道100、下水道100、工業用水道25)とした。管理・更新一体マネジメント方式は、長期契約(原則10年)、性能発注、維持管理と更新の一体マネジメント、プロフィットシェア――が要件となる。

ほかには、新分野の開拓として、治水・利水ダムの水力発電設備の新設・増強、自衛隊施設の集約化・再配置、スモールコンセッション(小規模な既存ストック活用)、バスタ(鉄道やバス、タクシーなど多様な交通モードがつながる集約型の公共交通ターミナル)、高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)、河川敷地PPPなどを例示した。地域企業の参画、地域産材の活用、地域人材の育成といった、地域経済社会に多くのメリットをもたらす「ローカルPFI」も推進する。PPP/PFIのカーボンニュートラル政策への貢献も、これまで以上に強調している。

 

【訂正】「PPP/PFI推進アクションプラン」事業件数の目標の表の、道路の5年目標を7件に訂正しました。アクションプランには「令和8年度までに7件の具体化及び公共施設等運営事業1件の事業実施」とありますが、公共施設等運営事業1件は具体化7件の内数で、すべてバスタ事業です。内閣府への確認を踏まえて訂正します。(2023/6/16)

 

PPP/PFIの最新動向は、月次レポート「インフラ・グリーン・デジタル投資動向」で逐次、解説しています。

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