三井住友信託銀行は2022年2月、ENEOSの子会社であるジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE)への出資に関する覚書をENEOSと締結した。JREの株式については本年1月、ENEOSとENEOSが出資する合同会社フォレストEおよびフォレストSが、全株式をJREの株主だった米ゴールドマン・サックス(GS)とシンガポール政府系ファンドGICから約2000億円で取得完了していた。そのうちのフォレストSが保有していた5%を、三井住友信託銀行が約100億円で取得した。
JREはGSとGICの資金力を背景に、2012年の創業以来、太陽光、陸上風力、バイオマスの再エネ開発を推進し、設備容量877MW(運転中:52カ所、544MW、建設中:8カ所、333MW。持ち分調整前の数値)の発電所を保有している。
注目を集める洋上風力発電については、再エネ海域利用法に基づく海域で下記の4事業の開発(環境影響評価手続き)を実施中だ。
・秋田県八峰町及び能代市沖(事業者公募中)の八峰能代沖洋上風力発電事業(最大155MW)
・山形県遊佐町沖(有望な区域)の遊佐沖洋上風力発電事業(最大450MW)
・長崎県西海市江島沖(有望な区域)の西海江島洋上風力発電事業(最大300MW)
・北海道石狩市沖(準備段階)の石狩湾オフショアウィンドファーム(最大1000MW)
上記の八峰能代沖洋上風力発電事業には東北電力とENEOS、西海江島洋上風力発電事業にはドイツwpd AGグループも出資参画している。遊佐沖洋上風力発電事業は、JREを含む20社が共同実施している環境影響評価のための事業だ。
ENEOSは、2021年6月に長崎県五島市沖で事業者に選定された、ごとう市沖洋上風力発電合同会社(構成員:戸田建設、ENEOS、大阪瓦斯、関西電力、INPEX、中部電力)にも参画している。