売電価格15.17円/kWhの三田太陽光発電所が着工、パシフィコ・エナジー

パシフィコ・エナジーは8月、兵庫県三田市の三田太陽光発電所(発電容量121MW)のファイナンシャルクローズ(資金調達完了)と着工を発表した。売電価格15.17円/kWhは、同社がこれまでに開発した太陽光発電施設のなかで最も安い。2023年末に運転開始の予定だ。

15.17円は入札て調達したFIT(固定価格買取制度)価格だ。同社第1号の久米南太陽光発電所の売電価格40円と比べると62%安い。今回のファイナンシャルクローズは、安い売電価格でも条件次第では商業ベースに乗ることを意味する。パシフィコ・エナジーは「再生可能エネルギー電源のグリットパリティ実現による国民負担ゼロ化に向けた重要なステップ」だと伝えた。グリッドパリティは、再エネの発電コストが既存の電力コストと同等か、それ以下になること。これが実現すると、FITのような優遇措置がなくても再エネ発電は自立して普及し、市場のさらなる成長が期待できる。

三田太陽光発電所の建設地はゴルフ場跡地で、造成工事と自然林伐採を最小減にとどめ、開発コストを抑制。最大雨量を場内で集水・貯水するために、既存の調整池と排水設備を活用する。三菱UFJ銀行、三菱HCキャピタルなどから融資を受け、べーカー&マッケンジー法律事務所が法律顧問を務める。

パシフィコ・エナジーは、これまでに15件、計1293MWの発電所を建設し、このうち11件、930MWが運転を開始した。

InfraBiz
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