再生可能エネルギー発電施設の投資価値が高まっていることが、谷澤総合鑑定所の調査で明らかになった。現在保有中または取得検討中の施設を対象に、FIT(固定価格買取制度)終了後の意向を聞いたところ、43%が「発電事業を継続する」を選択。「検討中」が25%、「売却する」が21%、「終了・解散する」は4%だった。多くの投資家が、FIT後の再エネ発電施設にも需要があると見ていることがわかる。
全国8地域の太陽光発電施設は「現在の割引率」が3.3~3.5%(中央値)と、1年前の調査から0.5~0.6ポイント低下した。割引率は、DCF法(Discounted Cash Flow法)において将来のキャッシュフローを現在価値に割り戻す際に用いる利回りで、内部収益率(IRR)と同義。2MW未満(高圧)の太陽光発電施設を前提に質問した。
水力、地熱、バイオマスの各発電所に期待する割引率(中央値)は4.0~5.5%だった。このうち、20MW陸上風力発電施設の割引率は、1年前から1ポイント低下して4.0%となった。割引率の低下は、取引価格の全国的な上昇傾向を示している。
調査は年に1回実施しており、今回が5回目。再エネ発電施設を売買・運用する資産運用会社など20社の30人が回答した。結果は谷澤総合鑑定所のウェブサイトからダウンロードできる。