栃木県宇都宮市は、再生可能エネルギーの地産地消を実現するため、地域新電力会社の共同出資者を公募し、4グループのなかからNTTアノードエナジー(代表)と東京ガスのグループを優先交渉権者に選んだ。4月に会社を設立し、2022年1月から小売電気事業を開始する。
新電力会社は、市が保有するバイオマス発電やFIT(固定価格買取制度)終了後の家庭用太陽光発電の再エネを、市有施設やLRT(次世代型路面電車)に供給する。シュタットベルケの構築を目指し、電気事業の収益を活用した地域課題の解決に取り組む。
シュタットベルケは、電気・ガス・水道・交通などのサービスを提供するドイツの公営企業のことだ。業務の包括化によって、黒字事業で赤字事業を賄うこもできるため、自治体運営の手法として日本でも注目されてきた。
NTTアノードエナジーのグループは、200点満点中186点の高得点を獲得して選ばれた。同グループの提案の一部は以下の通り。
- ビックデータ・AI利用などのデジタル化の推進
- 自社が所有するガスコージェネレーションシステムからの電力調達
- 地域主体の会社運営に向け、計画的な知見継承と社員雇用により将来的な主要業務の内製化
- スマートシティ形成に向けた産学官や市内事業者との連携
- 複数の具体的な市内事業者を示し、積極的に市内事業者の参画・連携を図る