JERAと英BPは2024年12月、JERAの再エネ子会社JERA NexとBPの洋上風力発電事業を統合し、両社の折半出資による合弁会社JERA Nex bp(本社ロンドン)を設立することに基本合意した。新会社は、洋上風力事業を開発・所有・運転する事業者として世界最大級となる。新会社の設立は2025年9月末をめどに完了する予定だ。基本合意の概要は以下の通り。
- 運転中・開発中の洋上風力発電案件等を統合させることで、成長に向けた戦略的なプラットフォームを構築。
- これまでのパートナーシップをベースに、補完的な専門知識を組み合わせることで、広範なポートフォリオの中から開発先行案件を推進。
- 競争力のある資金調達手段、ポートフォリオの最適化、両社からの資本投資計画など、規律ある資本効率的な成長を支えるための資金調達の枠組み構築。
基本合意によって、JERA Nex bpは、JERA NexとBP両社の運転中・開発中の持分容量13GW規模の洋上風力案件が統合された資産ポートフォリオを保有するグローバル企業となる。合計の事業資産(持分容量)は、運転中1GW、開発中7.5GW、海域リース権獲得済み4GW。日本、欧州、豪州の開発先行案件から推進に注力していく。両社は2030年末までに、開発資金として最大58億米ドルをJERA Nex bpに出資することにも合意した。
JERAは2019年に英国と台湾のプロジェクトへの投資を通じて、初めて洋上風力発電事業に参入した。2023年にベルギー大手洋上風力発電事業者Parkwindを買収後、JERAの2035年ビジョンの成長戦略における開発目標を達成するために、再エネに特化したJERA Nexを発足させた。日本(石狩湾新港)、ベルギー、ドイツ、台湾で洋上風力発電所を所有・運営するほか、日本(男鹿市・潟上市・秋田市沖)、アイルランド、豪州でのプロジェクトを含む開発案件を有している。
BPは2019年以降、洋上風力のポートフォリオを構築しており、開発検討中案件を含めて、総持分容量9.7GW規模の開発案件(開発中5.7GW、海域リース権獲得済み4GW)を有する。開発中案件は、英国アイリッシュ海のMorgan(753MW)、Mona(753MW)、ドイツ北海のOceanbeat East(2102MW)、Oceanbeat West(2102MW)で、海域リース権獲得済み案件は、スコットランド沖や米国東海岸に所在する。
JERAおよびその株主である東京電力と中部電力は、BPと長年にわたって液化天然ガス(LNG)事業でパートナーシップを築いており、近年では太陽光発電や水素・低炭素事業における協業の機会も追求している。
JERAとBPの洋上風力資産のフェーズ別内訳