日本風力開発が、秋本真利衆院議員(自民党を離党)に不透明な資金を提供したとされる贈賄疑惑事件。同社は2023年8月4日付で、「当社が、国会議員ほか公務員に対し贈賄をした事実は一切なく、この点を立証できる客観的な証拠が数点存在しています」と疑惑を否定した。しかしその後、贈賄容疑を認める方針に転換したとの報道もある。真相が明らかになっていない中で、波紋が広がっている。
日本風力開発の特別目的会社が秋田県男鹿市で計画中の五里合風力発電(最大出力50.4MW)事業に対し、地元の住民団体は8月21日、計画のいったん中止を求める要望書を提出した。事業者として信用を喪失したことを理由に挙げている。
秋田県の佐竹敬久知事は8月21日の定例記者会見で、日本風力開発の贈賄疑惑や、男鹿市の風力発電開発計画に地元から中止の要望書が寄せられたことについて質問を受け、次のようにコメントした。
<佐竹敬久知事の発言要旨>
・海域募集の基準が変わり、内容が変更されたときに、日本風力開発かどうかは別として、ベンチャー系の企業から国会議員に相当なプッシュがあったという話を、私自身が聞いている。
・今回、あそこ(日本風力開発)がああいう状況になって、私は外れてほしい。
・(国の基準の変更によって)発電が早く進むのはいいことかもしれないけども、県は地元への波及(を重視する)。商社系がかんだ方がさまざまな波及効果がある。うちの方では、ベンチャー系中心の方はあまり評価がよくなかった。
・男鹿の方は、ああいう問題を起こして、またやるというのは無礼だ。県として権限はないが歓迎はしない。