Ferrovial Airportsが空飛ぶクルマ用バーティポートの開発着手

米国フロリダ州ではLilium、AECOMと協業提携

スペインの空港運営会社Ferrovial Airportsは、スペインで20を超えるバーティポート(vertiport、垂直離着陸用飛行場)の相互接続されたネットワークの開発に着手した。「空飛ぶクルマ」として知られる「電動垂直離着陸機(eVTOL)」の運用に必要なインフラの設計・建設・運営を目指す。プロジェクトの財政面では、所定の手続きをすでに開始している欧州復興基金からの助成を見込む。

 

プロジェクトには、Airbus(EU)、Lilium(ドイツ)、Tecnalia(スペイン)など、欧州を代表するeVTOL開発事業者の支援を得る考え。バーティポートの最適な場所の特定やユーザー需要の推定はビッグデータの専門会社DatActionS(スぺイン)の協力、EV(電気自動車)を使用した旅客輸送に適合したバーティポートの設計には輸送コンサルタント・エンジニアリング会社のIDOM(スぺイン)の協力を得る。すべてのインフラとサービスは、想定される最高水準の持続可能性を達成するために、グリーンエネルギーを利用する。eVTOLとEV双方の駐車に適したエリアや充電ステーションの設置も計画している。

 

バーティポートのイメージ図(出所)Ferrovial

 

一方、Ferrovial AirportsとLiliumは2021年1月、米国フロリダの主要都市をカバーする少なくとも10のバーティポートのネットワークを開発するフレームワーク契約に署名。両社は、バーティポートの運営・維持管理だけでなく、施設の設計・建設でも協力する。南フロリダの最初の場所は、2021年春に発表される予定だ。

 

Ferrovial AirportsはAECOMともバーティポートのインフラ設計で提携した。インフラは太陽光や自然資源を利用して、持続可能性と効率を追求する。eVTOLジェットからの超低ノイズの放出をさらに低減するために、ノイズ軽減の材料と地表面が飛行場設計の特徴になる。ターミナルビルでは、タッチレスプロセス、迅速な移動、快適な環境を可能にすることで、ユーザーフレンドリーな旅客体験を提供する。

 

なお、Liliumはエアモビリティサービスを開発する航空会社。2015年設立で、ミュンヘン、チューリッヒ、ロンドン、ワシントンDCに拠点を置く。新タイプのeVTOLである「Lilium Jet」を開発し、5人乗りの本格的試験機が2019年5月に初飛行した。ゼロカーボンに加え、音響ライナー付きの全電動ダクテッドファンによってノイズをエンジンから出る前に捕捉・放散できるため、典型的な都市環境に対応できるとしている。

 

InfraBiz
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