本邦3行が伊藤忠・日立造船出資のドバイ廃棄物処理発電事業に協調融資

JBIC、三井住友銀行、みずほ銀行などが総額9億2700万米ドル

国際協力銀行(JBIC)など9行は2021年3月、ドバイ廃棄物管理会社(DWMC=Dubai Waste Management Company)とプロジェクトファイナンスの融資契約を総額約9億2700万米ドル(約1000億円)で締結した。DWMCは、Dubai Holding(UAE)、伊藤忠商事、日立造船イノバ(Hitachi Zosen Inova、スイス)、DUBAL Holding(UAE)、BESIX(ベルギー)、Tech Group(UAE)の出資者からなる。協調融資はJBIC(4億5200万米ドル)、三井住友銀行、みずほ銀行など、9行による。日本貿易保険(NEXI)が融資の一部に保険を提供している。
ドバイ初のごみ焼却プロジェクトで、DWMCはドバイ市とBOT方式のコンセッション契約(2020年12月)に基づいて、ストーカー型焼却炉プラント(廃棄物処理能力190万t/年、出力194MW)を市内ワルサン地区に建設し、2024年の竣工後35年間、廃棄物を処理して発電所で発電された電力を販売する。市内の現在のごみ発生量の最大45%を処理できるようになる。

ドバイでは、国内の廃棄物のほとんどが埋め立て地に埋められており、残りの埋め立て区画は減少している。ドバイ政府は、2032年までに埋め立て地に送られる廃棄物量をゼロにすることを目指しており、廃棄物からエネルギーへの転換を含むクリーンエネルギーの増加を推進する。

日本政府は、2020年12月に発した「インフラシステム海外展開戦略2025」において、脱炭素社会の実現に向けて、廃棄物処理やリサイクルなど、日本企業による高品質な環境インフラシステムの輸出を推進する意向を表明している。JBICにとっては、廃棄物発電事業向けの初のプロジェクトファイナンスとなる。

 

■ ドバイ廃棄物処理・焼却発電プロジェクトの概要

(出所)JBIC、伊藤忠商事、Global Construction Reviewのリリースを基に作成

廃棄物処理・焼却発電施設の完成予想図(出所)伊藤忠商事のウェブサイト

InfraBiz
関連サイト
JBICのウェブサイト
伊藤忠商事のウェブサイト
Global Construction Reviewのウェブサイト
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