2025年12月期決算を発表したカナダ年金基金のCDPQ(ケベック州貯蓄投資公庫)とOMERS (オンタリオ州地方公務員退職年金基金)の運用資産(AUM=Asset Under Management)は、CDPQが5173億カナダドル(前年比9%増、60兆円)、OMERSが1452億カナダドル(同5%増、17兆円)となった。
CDPQの資産配分は、パブリックエクイティ29%、プライベートエクイティ16%、固定収入資産(債券、クレジット)34%、インフラ14%、不動産8%。全体の年間リターンは9.3%。このうち、インフラ資産のリターンは9.2%。エネルギーや港湾、高速道路の資産が業績を牽引した。特にAIへの歴史的な需要に刺激され続け、電力部門の企業の成長に支えられた。25年の主な取引は下記の通り。
- カナダ再エネ会社Innergex Renewable Energyを買収。総額100億カナダドル規模の取引で25年7月に非上場化。
- ニュージーランドのモバイルタワーインフラ事業者Connexaの50%の持分を取得。
- 米DigitalBridgeと共同で米データセンター開発企業Yondr Groupの取得完了。
- 傘下のVerene Energiaを通じてブラジルの電力会社から複数の送電施設を取得。
- CDPQ Infraを通じてカナダMontreal REM(都市型鉄道ネットワーク)やQuébec City高速鉄道の開発・資金提供を継続。
OMERSの資産配分は、パブリックエクイティ20%、プライベートエクイティ18%、パブリッククレジット12%、プライベートクレジット14%、債券11%、インフラ22%、不動産15%、キャッシュ等-12%。全体の年間リターンは6.0%。このうち、インフラ資産のリターンも6.0%。北米・欧州・豪州・インドでエネルギー、運輸交通、デジタルを中心とする大規模インフラサービス・事業に投資している。25年は規制対象および成熟度の高いインフラ全体の好調なパフォーマンスに支えられたが、一部の欧州再エネ資産に対する運営上の逆風によって悪影響を受けた。25年の主な取引は下記の通り。
- 豪送電事業者Transgridの10%持分をFuture Fund Board of Guardiansに売却。
- 英London City Airportの保有株式を売却。
カナダの年金基金はインフラ投資に積極的である。25年12月期決算を発表したCDPQとOMERSの全体の運用資産は合計6625億カナダドル(77兆円)。2者合わせても、世界最大の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用資産(250兆円、25年3月)の3割ほど。しかし、インフラ資産は合計で1070億カナダドル(CDPQが745億カナダドル、OMERS が325億カナダドル。合計12兆円)と、GPIFのインフラ資産(2兆円)の6倍を保有している。
