浮体式洋上風力実証、秋田県南部沖・丸紅グループ、愛知県沖・シーテックグループ

経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2024年6月、秋田県南部沖と愛知県田原市・豊橋市沖におけるグリーンイノベーション(GI)基金「洋上風力発電の低コスト化」プロジェクトの浮体式洋上風力発電実証事業の事業者を選定した。

実証事業者は、秋田県南部沖が「丸紅洋上風力開発(幹事)、東北電力、秋田県南部沖浮体式洋上風力、ジャパン マリンユナイテッド、東亜建設工業、東京製綱繊維ロープ、関電プラント、JFEエンジニアリング、中日本航空」、愛知県田原市・豊橋市沖が「シーテック(幹事)、日立造船、鹿島建設、北拓、商船三井」(シーテックは中部電力グループの総合設備会社)。

NEDOは、2030年までに浮体式洋上風力発電を国際競争力のあるコスト水準で商用化する技術の確立を目標に、フェーズ1で実施した要素技術(次世代風車、浮体式基礎製造・設置低コスト化、電気システム、運転保守高度化)開発の成果も取り入れつつ、1基10MW以上の大型風車を用いた実海域における浮体式実証事業(フェーズ2)を推進する。事業予算は約850億円(NEDO支援規模)、期間は2024~2030年度。

選定された両区域のプロジェクトとも、基礎形式として浮体を半潜水状態に沈めるセミサブ浮体を用い、15MW超の風車を、秋田県南部沖は2基、愛知県田原市・豊橋市沖は1基、浮かべる計画だ。

フェーズ2の実証事業者のうち、フェーズ1の「浮体式基礎製造・設置低コスト化技術開発事業」では、ジャパン マリンユナイテッドと東亜建設工業等が提案したセミサブ型浮体、日立造船と鹿島建設が提案したセミサブ型ハイブリッド浮体が採択されている。同じく、「洋上風力運転保守高度化事業」では、関電プラント等が提案した浮体式風車ブレードの革新的点検技術、北拓が提案した浮体式風力発電用成長型O&M Digital Platformが採択されている。いずれも2021年度から最大3年の事業だ。

一方、経済産業省とNEDOは2023年10月、4区域(北海道石狩市浜益沖、北海道岩宇・南後志地区沖、秋田県南部沖、愛知県田原市・豊橋市沖)を浮体式実証の候補区域として選定していた。フェーズ2の公募参加者が4候補から実証区域を選定して実施計画を作成し、採択審査を経て、最終的に実証事業者と区域(2カ所)が決定された。

Infrabiz
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