経済産業省と国土交通省は2023年12月13日、秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖、新潟県村上市・胎内市沖、長崎県西海市江島沖の3海域における事業者の選定結果を発表した。
- 秋田県沖 事業者:JERA、電源開発、伊藤忠商事、東北電力、設備容量:315MW(15MW×21基、Vestas製)、運転開始:2028年6月
- 新潟県沖 事業者:三井物産、RWE Offshore Wind Japan 村上胎内、大阪ガス、設備容量:684MW(18MW×38基、GE製)、運転開始:2029年6月
- 長崎県沖 事業者:住友商事、東京電力リニューアブルパワー、設備容量:420MW(15MW×28基、Vestas製)、運転開始:2029年8月
今回の選定結果を各海域で実施されてきた環境アセス手続きの実施状況等も併せて概観すると、下記の点が注目される。
- 秋田県沖は、環境アセスの7グループから応募は3グループ、新潟県沖は、同8グループから応募は4グループ、長崎県沖は同2グループから応募も2グループ。秋田と新潟の選定者は、環境アセスと同じ組み合わせだが、長崎の選定者は、環境アセスと違う組み合わせになっている(住友商事は電源開発と環境アセス手続きを実施していたが、応募では東京電力リニューアブルパワーと組んだ)。
- 選定された3グループに、三菱商事以外の3商社が重複なく入っている。
- ドイツRWEが海外企業として初めて入った(新潟県沖)。
- 新潟県沖の発電機の単機容量が18MW(GE製)と、国内の洋上風力発電事業で最大となっている。
- 事業実現性評価点(120点満点)、価格点(120点満点)、合計240点満点の評価で、秋田県沖と新潟県沖では選定者が240点満点(補正後)を獲得した(事業実現性評価点、価格点とも1位)。秋田の3グループ、新潟の3グループはいずれも価格点が満点で、価格点では差が付いていない。長崎県沖では、選定者の事業実現性評価点は別の応募者を下回ったが、価格点で上回り逆転した。
洋上風力第2弾の選定者と環境アセスグループの一覧
なお、上記の3海域と同時に公募された「秋田県八峰町及び能代市沖」では、最も評価が高かった事業者の港湾の利用重複に伴う公募占用計画の再提出が生じているため、選定結果は2024年3月に公表される。今回の3海域の非選定者なども同時期に公表される。