熊谷組が香港西部海底トンネルで4件目の「管理・運営・保守事業」を受注

熊谷組は香港現地法人Pacific Infrastructure Limited(PIL、熊谷組持ち分20%)を通じて、香港の西部海底トンネル(Western Harbour Crossing:WHC)の管理・運営・保守(Management, Operations and Maintenance: MOM)事業を受注し、2023年8月2日から運営を開始した。同社が参画する香港MOM事業は4件目になる。

WHCは、香港島と九龍半島を結ぶ3本の海底道路トンネルの内の1本で全長約2㎞、片側3車線・計6車線。1日あたりの平均交通量は7万7000台。香港新空港のアクセス路線としてBOT(Build, Operate and Transfer)方式で整備(熊谷組JVによって建設)され、1997年に開業。30年間のBOT事業契約満了に伴い、2023年8月1日に施設所有権は香港政府に返還され、8月2日からMOM事業としてPIL社が維持管理・運営を開始している。契約期間は同日から2026年8月1日までの3年間、契約額は約3億7200万香港ドル(約70億円)。

本事業は、2023年2月に公告、4月に入札(価格と技術提案の2封筒方式による競争入札)が実施された。MOM事業の内容は、管理・運営業務として、交通管理・監視、巡回・パトロール、交通事故処理、災害非常時の緊急対応業務等、保守業務として、トンネル・換気棟・管理事務所、電源・換気・照明等の機電設備、交通管制・監視システムおよび料金徴収システムが含まれる。

熊谷組は、2016年8月から東部海底トンネル(Eastern Harbour Crossing)のMOM事業(1期:2016年8月~19年8月、2期:2019年8月~25年8月)に参画している。同トンネルは、熊谷組が1986年から30年間にわたってBOT方式で運営し、2016年8月の事業期間満了に伴って香港政府に返還された。返還後は、熊谷組がCITIC(中国中信股份有限公司)などと共に設立した香港現地法人PIL社が香港政府との間でMOM契約を締結した。その後、大老山トンネル(Tate’s Cairn Tunnel)(2021年7月~27年7月)、セントラルワンチャイバイパストンネル(Central-Wan Chai Bypass Tunnel)(2023年1月~29年1月)のMOM事業も手掛け、今回が4件目となる。

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