建物の窓や壁面などに新開発の太陽光発電装置を取り付け、再生可能エネルギー発電に取り組む実証が活発になっている。建材一体型の発電装置もその一つだ。ENEOSホールディングス、JR東日本、YKK AP、日本板硝子は、透明な太陽光発電窓パネルを使用した実証実験を東京都港区の高輪ゲートウェイ駅構内で開始する。米Ubiquitous Energyが開発した発電窓パネル「UE Power」を使用し、2023年5月8日から7月14日の約2カ月間実施する計画だ。
UE Powerは、一般的な窓と同程度の透明度を有し、遮熱性と断熱性に優れている。日本板硝子は2019年、建物一体型太陽光発電窓の共同開発についてUbiquitous Energyと合意。ENEOSは2021年にUbiquitous Energyに出資した。ENEOSと日本板硝子が2021年9月から1年間、共同で行った屋外使用実証実験では、想定通りの発電量や省エネ効果が確認できた。今回の実証で有効性が確認された段階で、ビルなどへの導入を進める計画だ。
Ubiquitous Energyによると、UE Powerは既に試作段階を終えている。今後は約2年間かけて生産ラインを構築し、3年以内に米国市場で量産する。日本での販売も開始する予定だ。