投資判断にインターナルカーボンプライシング、大和ハウス工業がIRRに反映

大和ハウス工業は2023年4月、投資用不動産の投資判断基準としてインターナルカーボンプライシング制度(ICP:社内炭素価格)を導入したと発表した。対象不動産のCO2削減量に基づき、環境価値を金額に換算する。

ICPとして、CO2の排出量1t当たりの費用を2万円と設定。対象建物のCO2削減量にICPを乗じた金額を「みなし収益」とし、IRR(Internal Rate of Return:内部収益率)に反映させる。IRRは投資期間中のキャッシュフローの変化を加味した投資判断基準で、投資によって得られる利回りを指す。

大和ハウス工業は金利上昇を予測し、2023年2月から社内の投資用不動産の投資判断基準のIRRを8.5%から10%へと厳格化。不動産開発の損失リスクを軽減させる取り組みを開始した。ICPの活用はIRR厳格化の緩和策となり、脱炭素化につながる。投資用不動産の判断基準としてICPを導入するのは日本初だという。

同社は2022年8月、環境省の「インターナルカーボンプライシングを用いた投資決定モデル事業」の参加企業として選ばれている。

オンサイトPPA(電力購入契約)を採用した物流施設「DPL三郷Ⅱ」 (出所)大和ハウス工業

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