コンセッション、エネルギー、建設、不動産の4事業を併せ持つフランスの総合インフラサービス事業者 VINCIの2022年(12月期)売上高は616億7500万ユーロ(前年比25%増)、1ユーロ=138円(2022年平均)として8兆5000億円になった。新型コロナ感染症パンデミック(COVID-19)前の2019年を上回って過去最高となった2021年の売上高(493億9600万ユーロ)を、大幅に更新した。EBIT(利払い・税引き前利益=営業利益)は68億2400万ユーロ。こちらも2019年(57億ユーロ)を上回って過去最高。営業利益率(EBIT/売上高)は11.1%に上昇した。
コンセッション部門は売上高91億6200万ユーロ(前年比30%増)。道路部門でフランス国内の4443kmを運営するVINCI Autoroutesは、売上高60億300万ユーロ(同8%増)で、COVID-19前の2019年(56億ユーロ)を上回った。空港部門のVINCI Airportsは、売上高26億7900万ユーロ(同126%増)。運営空港数は2022年末時点で、日本の3空港(関西国際、大阪、神戸)を含めて、12カ国・65空港(2023年に契約完了予定のアフリカ西方沖に位置するカーボベルデの7空港を除く)。COVID-19の影響から回復途上にあり、EBITは黒字転換した。海外道路部門のVINCI Highways、鉄道部門のVINCI Railways、スタジアム部門のVINCI Stadiumなども増収となった。
エネルギー部門のVINCI Energiesは、売上高167億4800万ユーロ(同10%増)。2021年末にスペインの総合インフラサービス事業者ACSグループからの買収を完了した再エネ事業会社 Cobra ISは、売上高55億2000万ユーロだった。VINCI全体の売上高に、Cobra ISの貢献が上乗せされている。
そのほか、建設部門のVINCI Constructionは、売上高292億5200万ユーロ(同11%増)、不動産部門のVINCI Immobilierは、売上高15億2300万ユーロ(同6%減)だった。
(注)VINCIの2022年決算・投資の詳細情報は、月次レポート「インフラ・グリーン・デジタル投資 2023年2月」に収録する予定です。