東京電力リニューアブルパワー(東電RP)は2022年11月、英国を中心に洋上風力発電事業を展開する英Flotation Energy(FE社)の株主との間で全株式の譲渡契約を締結し、同社を買収する。FE社は、世界有数の浮体式洋上風力発電事業者で、初期段階(計画・調査・入札)の案件開発に豊富な実績を有する。浮体式洋上風力のKincardin発電所(スコットランド・アバディーン海岸沖、50MW)などの開発に携わったNicol Stephen氏(CEO)とAllan MacAskill氏(CTO)が2018年に設立した。
FE社は現在、アイリッシュ海のMorecambe(英国、着床式、480MW、スペインCobraと共同)、ケルト海のWhite Cross(英国、浮体式、100MW、Cobraと共同)の2案件について、開発権に関わる優先交渉権を取得している。さらに、英国・アイルランド・台湾・日本・豪州で計12GWの開発計画を掲げ、日本では現地法人を通じて、新潟県沖(1GW)、和歌山県沖(450MW)、千葉県沖(520MW)で浮体式洋上風力発電(計2GW)の開発に入っている。
東電RPは今後、FE社とともに、グローバルな初期段階の案件開発に加えて、実案件の設計・建設・O&Mを通じて、洋上風力事業運営全般のノウハウ・技術を獲得し、国内外における洋上風力事業を積極的に展開していく。
一方、FE社は商船三井と2021年12月、日本における洋上風力発電事業開発の協業に合意している。商船三井は、浮体式洋上風力発電事業にFE社の実績を生かし、両社で日本国内のローカルサプライチェーンの構築と事業化を目指す。