英国スコットランド自治政府機関「Crown Estate Scotland」は2022年1月、洋上風力発電事業の開発に関する海域リース権益プログラム「ScotWind」に準じて実施した入札で、17事業の落札者を発表した(図表1、図表2)。Crown Estate Scotlandは、特定海域に対するリース権益を留保するオプション契約を17事業者に提供する。海域面積は総計7343km2、オプション料金は総額7億ポンド、総設備容量は24.826GW。基礎形式は、浮体式10事業、着床式6事業、混合1事業となっている。契約が正式に署名されると、サプライチェーンに関するコミットメントの詳細の公開、資金調達、事業計画などを経て、海域リース権益が付与される。
事業者の代表企業として、英国勢を中心に欧州の有力企業が名を連ねるなか、SSE Renewables(英国大手電力会社SSEの再エネ子会社)コンソーシアムには、丸紅がCopenhagen Infrastructure Partners(デンマーク投資会社、CIP)とともに参画する(図表1、図表2の番号2)。出資比率は、SSE Renewablesが40%、丸紅とCIPが30%ずつ。実施事業は、海域面積859km2、設備容量2.61GW、基礎形式は浮体式。世界で開発される大規模浮体式洋上風力発電事業の初期案件の一つとなる。
丸紅は、国内で現在建設中の秋田港湾区域内(54.6MW)と能代港湾区域内(84.0MW)の事業者(秋田洋上風力発電)に代表企業として参画しているほか、再エネ海域利用法に準じた海域では、北海道石狩市沖(準備段階)、山形県遊佐町沖(有望区域)で環境影響評価手続きを実施中だ。福島浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業にも参画している。
図表1■ScotWindのリース権益入札の対象となった17事業
図表2■ScotWindの17事業の概要