建設コンサルタント最大手の日本工営が、蓄電池ビジネスの経験を着々と積み重ねている。子会社のNippon Koei Energy Europe(オランダ)を通じ、ベルギーのロイエン(Ruien)において、出力25MW、容量100MWhの系統用大型蓄電事業を開始すると11月16日に発表した。
実施主体は2018年に設立した特別目的会社(SPC)のRuien Energy Storage(RES)。日本工営と、再生可能エネルギーを主な投資対象とするAquila Capital Holding(ドイツ)がSPCに出資する。日本工営は計画や開発、EPC(設計・調達・建設)、運営にも携わる。このプロジェクトを共同開発してきたYUSO(ベルギー)は、RESとアグリゲーター契約を結び、電力市場での取引を代行する。
日本工営によると、日系企業が事業主体として開発、建設段階から欧州の系統用蓄電事業に参入するのは本件が初めて。施設は旧石炭火力発電所跡地に設置し、隣接する電力系統変電所に接続する。2021年11月に建設を開始し、2022年末の完成を目指す。
日本工営は早くから蓄電池事業に取り組んできた。2018年には、蓄電池事業を投資対象とする英国の上場インフラファンド、GoreStreet Energy Storage Fundに出資。EPCコントラクターとしても同社の事業に従事している。2021年9月の中期経営計画説明会では、蓄電池、アグリゲーションを含む発電・エネルギーマネジメント事業の基盤構築を方針の一つに掲げた。経済産業省の再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業にも参画している。