洋上風力の2030年目標容量は5.7GW、第6次エネルギー基本計画が閣議決定

第6次エネルギー基本計画が2021年10月22日に閣議決定された。電源構成比の2019年実績、2030年の旧目標(2015年に策定)、2030年の第6次エネルギー基本計画(新計画)目標は図表1の通り。施策を総動員して、2030年における温室効果ガス排出量の2013年度比46%減を目指す。

新計画による2030年の総発電推定量は9340億kWh。再生可能エネルギーの構成比が36~38%、水素・アンモニア1%、原子力20~22%、火力41%(LNG20%、石炭19%、石油等2%)となっている。旧目標に比べて再エネの比率が6割増加しているのに対し、火力の比率が56%から41%へと大きく低下している。再エネの比率は火力にわずかに及ばない。原子力の2019年実績は6%に落ち込んでいるが、新計画目標は旧目標と変わっていない。

再エネ導入量については、2021年7月に総発電量3126億kWhが提示されたが、施策の具体化・加速化を前提に、その効果が実現した場合の240億~410億kWhの追加導入を見込み、最終的に3360億~3530億kWh(36~38%)を野心的な目標として設定した。

追加導入策としては、①系統増強などを通じた風力の導入拡大(長距離海底直流送電や蓄電池の導入拡大によって、北海道を中心とした陸上風力2GW、洋上風力2GWの上積み)、②新築住宅への施策の拡大による太陽光発電導入量の拡大(3.5GW)、③旧ミックスの達成に向けた地熱と水力に関する施策強化、④太陽光などによる地域共生型再エネ導入の推進(4.1GW)、⑤民間企業による太陽光発電の自家消費促進(10GW)を想定している。

新旧の再エネ導入目標の内訳(図表2)をみると、太陽光の比率が7%から14~16%、風力が1.7%から5%へと伸び、両者で全体の伸び14%のうちの12.3%を占めている。太陽光については、太陽光発電協会が野心的目標として「2030年125GW(約1530億kWh)」を掲げている。洋上風力については、洋上風力産業ビジョンなどで2030年までに10GWの事業案件形成を目指しているが、新計画における2030年時点の導入容量は5.7GWにとどまっている。両者の今後の上積みが期待される。

図表1■ 電源構成の比較

(出所)経済産業省の資料を基に作成

図表2■再生可能エネルギーの電源構成の内訳

(出所)経済産業省の資料を基に作成

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